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妊婦のめまい・立ちくらみ:原因から対策まで完全ガイド – 助産師が教える安心な妊娠生活

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1. 妊婦の立ちくらみとは?その特徴と頻度

妊娠中の立ちくらみは、多くの妊婦さんにとってお馴染みの症状です。突然立ち上がったり、長時間同じ姿勢でいたりすると、目の前が暗くなったり、バランスを崩したりする感覚に襲われることがあります。アメリカ妊娠協会の調査によると、実に4人中3人の妊婦さんが何らかの形で立ちくらみを経験するそうです。

症状の程度は人それぞれで、軽いふらつき感から一時的な意識の混濁まで様々です。多くの場合、数十秒から数分程度で回復しますが、初めて経験する方は不安を感じるかもしれません。週に1〜2回程度の頻度であれば通常は心配ありませんが、毎日複数回発生する場合は医療機関への相談をおすすめします。

2. 妊娠中の立ちくらみの主な原因

頭をおさえる女性

立ちくらみの背景には、妊娠期特有の身体の変化が深く関わっています。主な原因として、以下のようなものが挙げられます:

a) ホルモンバランスの変動 妊娠中はエストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンが急増します。これらのホルモンには血管を拡張させ、血圧を下げる作用があります。その結果、脳への血流が一時的に減少し、立ちくらみを引き起こすことがあるのです。

b) 血液量の増加と循環の変化 赤ちゃんの成長を支えるため、妊娠中は血液量が増加します。しかし、血管の容量がそれに追いつかないため、相対的に血圧が低下しやすくなります。特に急な姿勢の変化時に血圧が追いつかず、立ちくらみが起こりやすくなるのです。

c) 水分不足 妊娠中は代謝が活発になり、通常以上に水分を必要とします。さらに、つわりによる嘔吐や発汗の増加も脱水のリスクを高めます。軽度の水分不足でも立ちくらみのきっかけになる可能性があるのです。

d) 貧血(特に鉄欠乏性貧血) 妊娠中は赤ちゃんの成長を支えるため、体内の鉄分需要が急増します。十分な鉄分を摂取できないと貧血に陥りやすく、これがめまいや立ちくらみの一因となることがあります。鉄分を含む食品を意識的に取り入れることが大切です。

e) 血糖値の変動 妊娠中は赤ちゃんの発育のためにエネルギー消費が増加します。食事の間隔が空きすぎたり、食事量が不足したりすると血糖値が急降下し、立ちくらみを引き起こす可能性があります。規則正しい食生活が重要です。

3. 妊娠期間別の立ちくらみの特徴

エコー写真3枚

立ちくらみは妊娠全期間を通じて起こり得ますが、時期によって特徴が異なります:

a) 妊娠初期(妊娠1〜3ヶ月) この時期は急激なホルモン変化の影響を受けやすく、また、つわりによる水分不足のリスクも高まります。体が妊娠に適応する過程で血圧が不安定になりやすく、立ちくらみを経験しやすい時期と言えるでしょう。

b) 妊娠中期(妊娠4〜6ヶ月) 比較的安定した時期ですが、鉄分需要の増加に伴い貧血のリスクが高まります。また、成長する子宮が腹部の大血管を押し始め、特に仰向けに寝た際に立ちくらみを感じやすくなることがあります。

c) 妊娠後期(妊娠7〜9ヶ月) 大きくなった子宮が腹部の血管をさらに圧迫し、仰臥位低血圧症候群のリスクが高まります。また、体重増加による身体的負担も大きくなり、立ちくらみの頻度が増える可能性があります。

4. 立ちくらみの予防法と対策

食材

立ちくらみを完全に防ぐことは難しいですが、以下の対策を心がけることで発生リスクを減らし、症状を和らげることができます:

a) ゆったりとした動作を心がける 急激な姿勢の変化は避け、特に座った状態や横になった状態から立ち上がる際は、段階を踏んでゆっくりと行動しましょう。例えば、ベッドから起きる時は、まず横向きになり、徐々に上半身を起こし、しばらく座った状態で休んでから立ち上がるのがおすすめです。

b) こまめな水分補給を 脱水を防ぐため、1日約2リットルの水分摂取を目標にしましょう。ただし、一度に大量の水分を摂るのではなく、小まめに少量ずつ飲むのがコツです。水やお茶だけでなく、スープや果物なども水分補給の良い選択肢です。

c) バランスの取れた食事を心がける 鉄分、ビタミンB12、葉酸などの栄養素を豊富に含む食品を積極的に取り入れましょう。具体的には、ほうれん草などの緑黄色野菜、赤身肉、豆類、ナッツ類などを日々の食事に組み込むのがおすすめです。また、急激な血糖値の変動を避けるため、3食をしっかり取り、適度な間食も取り入れると良いでしょう。

d) 適度な運動を 妊婦向けのやさしい運動(ウォーキングやマタニティヨガなど)を行うことで、血行が促進され、立ちくらみのリスクを軽減できる可能性があります。ただし、新しい運動を始める前には必ず医師や助産師に相談し、許可を得てください。

e) 十分な休息と睡眠を 適切な休息と睡眠は、身体的なストレスを軽減し、立ちくらみのリスクを下げるのに役立ちます。特に左側を下にして横になることで、子宮による大血管の圧迫を軽減できます。快適な睡眠環境を整えるのも大切なポイントです。

f) 弾性ストッキングの活用 医師の指示があれば、弾性ストッキングや医療用の圧迫靴下を使用することで、下肢の血液循環を改善し、立ちくらみのリスクを軽減できる可能性があります。ただし、使用する前に専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

助産師ちる
助産師ちる

通勤中やお出かけ中に駅で立ちくらみがあり、

怖い思いをしている方がたくさんいらっしゃいます。

駅で電車を待っている間に、ベンチなどに座っている時は、

電車が来る少し前から立ち上がる準備をして、

ゆっくり立ち上がることを心がけてください。

5. 立ちくらみが起きたときの対処法

身体を伸ばしている女性

実際に立ちくらみを感じた場合は、落ち着いて以下の対処法を試してみましょう:

a) 安全な場所で休む 立ちくらみを感じたら、まず安全を確保することが大切です。可能な限り早く、安全な場所で座るか横になりましょう。転倒のリスクを避けるため、近くの壁や家具にそっと寄りかかるのも有効です。

b) ゆったりとした呼吸を ゆっくりと深呼吸をすることで、体内の酸素供給が増え、症状が和らぐ場合があります。鼻から息を吸い、口からゆっくりと吐き出す呼吸法を試してみましょう。

c) 水分を補給する 可能であれば、水やスポーツドリンクなどを少量ずつ飲みます。一度に大量の水分を摂取するのは避け、少しずつ口に含むようにしましょう。

d) 足を軽く上げる 横になった状態で足を少し上げることで、血液の循環が改善し、症状が和らぐ場合があります。クッションや枕を使って足を心臓の高さより少し高くするのがコツです。

e) 涼しい環境に移動する 暑さも立ちくらみの一因となることがあるため、可能であれば涼しい場所に移動しましょう。首筋や手首に冷たいタオルを当てるのも効果的です。

6. 立ちくらみと赤ちゃんへの影響

ベッドで横になる女性

多くの場合、適切に対処された立ちくらみは赤ちゃんに直接的な悪影響を与えることはありません。しかし、頻繁に立ちくらみが起こる場合や、転倒のリスクがある場合は、間接的に赤ちゃんに影響を与える可能性があるため、注意が必要です。

特に警戒すべきは、立ちくらみによる転倒です。妊娠中の転倒は、最悪の場合、胎盤剥離や早産のリスクを高める可能性があります。そのため、立ちくらみの予防と適切な対処が非常に重要となります。

また、立ちくらみの原因が重度の貧血や低血圧である場合、赤ちゃんの成長に影響を与える可能性があります。このような場合、定期的な妊婦健診で健康状態をチェックし、必要に応じて適切な治療を受けることが大切です。医師や助産師と相談しながら、最適な対策を講じていきましょう。

7. 医療機関を受診すべき症状

女医さんと話す女性

通常、立ちくらみは自然に改善する一時的な症状ですが、以下のような場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします:

  • 立ちくらみの頻度が急に増加した場合
  • 失神や意識消失を伴う場合
  • 激しい頭痛や視覚の変化がある場合
  • 持続的な腹痛や出血がある場合
  • 立ちくらみに加えて、息切れや胸痛がある場合
  • 日常生活に支障をきたすほど症状が重い場合

これらの症状は、より深刻な健康問題の兆候である可能性があります。医療専門家による適切な診断と治療が必要となる場合があるため、躊躇せずに受診しましょう。「様子を見よう」と悩むよりも、専門家に相談することで安心が得られます。

8. 立ちくらみに関する誤解と事実

黒板とメガネの女性

立ちくらみについては、いくつかの誤解が存在します。ここでは、よくある誤解とその真実を紹介します:

誤解1:立ちくらみは異常な症状である 真実:立ちくらみは妊娠中によく見られる一般的な症状です。適切に対処されていれば、多くの場合は過度に心配する必要はありません。ただし、頻度や程度が気になる場合は、医療専門家に相談することをおすすめします。

誤解2:立ちくらみは必ず貧血が原因である 真実:貧血は確かに立ちくらみの一因となり得ますが、唯一の原因ではありません。ホルモンバランスの変化や血液循環の変化、脱水など、他の要因も大きく関与しています。総合的な健康管理が大切です。

誤解3:立ちくらみを防ぐために安静にしていればよい 真実:過度の安静は逆効果の可能性があります。適度な運動や活動は血行を促進し、立ちくらみのリスクを軽減する可能性があります。ただし、運動の種類や強度については、必ず医師や助産師に相談しましょう。

誤解4:立ちくらみは妊娠初期にしか起こらない 真実:立ちくらみは妊娠のどの時期でも起こる可能性があります。妊娠後期でも頻繁に経験される症状です。各時期に応じた対策を心がけることが大切です。

助産師ちる
助産師ちる

「立ちくらみ=貧血」と思いこんで、鉄剤を必要以上に摂取している方も珍しくありません。

ただ、それでは一向に立ちくらみが良くならないので、正しい対策を心がけてください。

9. パートナーや周囲のサポート

男女の写真

立ちくらみを含む妊娠中の体調変化に対しては、パートナーや家族、職場など周囲の理解とサポートが非常に重要です。以下のようなサポートが役立ちます:

a) 理解と配慮 立ちくらみの症状や予防法について周囲の人々に説明し、理解を求めましょう。特に、突然動作を止めたり、座り込んだりする必要がある場合があることを伝えておくと良いでしょう。

b) 環境整備 自宅や職場で、立ちくらみのリスクを軽減するための環境整備にご協力いただきましょう。例えば:

  • 休憩スペースの確保
  • 水分補給が容易にできる環境づくり
  • 急な姿勢変化を避けられるよう、椅子や手すりの配置を工夫する

c) 緊急時の対応 立ちくらみが起きた際の対応方法を事前に周囲の人々と共有しておくことで、迅速かつ適切な対応が可能となります。特に外出時や公共の場所での対処法を話し合っておくと安心です。

d) 精神的サポート 立ちくらみによる不安や恐怖感について相談できる環境を整えることも大切です。パートナーや家族、同じ経験をしている妊婦仲間との対話は、精神的な支えとなるでしょう。

助産師ちる
助産師ちる

特に、一緒に行動することが多い旦那さんには、立ちくらみ症状をしっかり理解していただきましょう。

そして、一緒に過ごす時に、ゆっくり行動・事前に休憩場所の目処を立てる、などの対策を心がけてもらいましょう!

10. まとめ:安心で健康な妊娠生活のために

手を伸ばす女性

妊娠中の立ちくらみは、多くの妊婦さんが経験する一般的な症状です。その原因や対処法を理解し、適切に管理することで、より安心で健康な妊娠生活を送ることができます。

重要なポイントをまとめると:

  • ゆっくりと姿勢を変える習慣をつける
  • 十分な水分摂取と栄養バランスの良い食事を心がける
  • 適度な運動と十分な休息のバランスを取る
  • 症状が重い場合や不安がある場合は躊躇せず医療機関に相談する
  • パートナーや周囲の人々のサポートを積極的に求める

妊娠中の体調変化に戸惑うことは自然なことです。一人で抱え込まず、パートナーや医療専門家、同じ経験をしている他の妊婦さんと情報を共有し、サポートを求めることも大切です。

立ちくらみを含む妊娠中の様々な症状は、新しい命を育むプロセスの一部です。適切な知識と対策、そして周囲のサポートがあれば、これらの症状を上手く管理し、充実した妊娠生活を送ることができるでしょう。

妊娠期間中は自分の体と向き合い、小さな変化にも敏感になることが大切です。そして、不安なことがあれば、遠慮なく医療専門家に相談してください。あなたと赤ちゃんの健康が最優先です。安心して妊娠生活を楽しみ、新しい家族の誕生を心待ちにしてください。

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